全負荷型と特定負荷型は何が違う?それぞれの蓄電池の特徴を解説!
電気を貯めておくことができる蓄電池には「全負荷型」と「特定負荷型」の2種類があります。どのような目的で蓄電池を設置するのかによって、どちらのタイプの蓄電池のほうがよいのかが異なります。そこで今回は、全負荷型と特定負荷型それぞれの特徴・メリットと、どのような人に向いているのかを紹介します。しっかりチェックしましょう。
全負荷型の蓄電池を導入するメリット
全負荷型とは、ご家庭の電気の60Aまたは10kVA相当までの電気を使用できるタイプです。60Aまたは10kVA相当の電気というと、家中の照明やコンセントがいつも通り使えるくらいの電気の量です。
■停電してもいつもと変わらない生活ができる
全負荷型の蓄電池を設置するメリットは、停電時にもいつもと変わらない生活ができるということです。オール電化のご家庭でも、全負荷型の蓄電池があればいつもと変わらない生活ができます。ガスと併用のご家庭で、災害等の影響でライフラインがすべて止まってしまった場合は、電気を使用する照明、エアコン、冷蔵庫などの家電は通常通り使うことができます。
■200V電源に対応した商品が多い
200V対応商品が多いので、エアコンや電子レンジ、IH、エコキュートも使用できます。ご自宅で使っている家電を見て、停電時でも使いたい家電が200Vの場合は、全負荷型の蓄電池がおすすめです。
■太陽光発電と連携できる商品が多い
全負荷型の蓄電池は太陽光発電と連携できる商品が多いです。そのため、既に太陽光発電システムがついていて、追加で蓄電池を後付けしたいというご家庭には全負荷型の蓄電池がおすすめです。また、蓄電池の中でも全負荷型は商品数が少ないので、ある程度商品を絞って決めやすくなります。
■停電時に使う電気を選ばなくて済む
特定負荷型の蓄電池は、停電時に使いたい電気をあらかじめ選ばなくてはなりません。一方全負荷型の蓄電池なら、停電が起きたら自動的に蓄電池の電力に切り替わり、家中の電気を賄ってくれるため、停電時に時に使う電気を選ばなくてよいのです。
特定負荷型の蓄電池を導入するメリット
特定負荷型の蓄電池だと、だいたい15~20Aまでの電力回路を使うことができます。全負荷型のように家にある電気をいつも通り使うのではなく、冷蔵庫のコンセントやテレビのコンセントなど、必要最低限の回路のみを指定して使うことができるのです。
■初期費用を抑えられる
特定負荷型のメリットとしてまず挙げられるのが、初期費用が抑えられるということです。同容量で全負荷型と比較した場合、20万円前後安くなります。
■停電時に長持ちする
また、停電時は必要最低限の回路しか使うことができないため、電力を使いすぎる心配がありません。
■小型商品が多い
コンパクトな商品が多く、ご自宅の設置スペースに合わせて選ぶことが可能です。全負荷型の蓄電池はエアコンの室外機よりも一回り大きいので、屋外に設置することがほとんどです。しかし、特定負荷型の蓄電池のコンパクトなものを選べば、屋内でも設置できます。
屋外に蓄電池を設置するスペースが確保できないという方や、なるべくコンパクトにしたいという方は、特定負荷型の小型商品を選ぶとよいでしょう。また、小型商品があるだけでなく、全負荷型に比べて全体的に商品数も多いため、他の商品と比較しながら選ぶことができます。
結局、どちらのタイプを選ぶべき?
全負荷型と特定負荷型二つのメリットを紹介しましたが、結局どっちの蓄電池がよいのかわからないという方も多いですよね。ここからは、それぞれのタイプの蓄電池がどのような方に向いているのかを解説します。
■全負荷型が向いているご家庭
全負荷型は、災害時にもいつもと変わらない生活を送ることができてとても魅力的です。ただし、全負荷型だと家中の電気を自動的に賄ってしまいます。そのため、特定の電気のみを使うよりも電気を消費するスピードが速いです。
その点を踏まえたうえで、二世帯住宅のご家庭や全館空調を利用しているご家庭、オール電化のご家庭、ペットや小さいお子様がいるご家庭は、全負荷型の蓄電池が向いているでしょう。また、せっかく蓄電池を導入するなら充実した商品がよいという方にも全負荷型がおすすめです。
■特定負荷型が向いているご家庭
特定負荷型は、蓄電池を非常用電源として最低限備えておきたいという方におすすめです。そのため、停電時は最低限の電気が使えればいいという方は、特定負荷型を選ぶのがよいでしょう。また、導入費用を抑えたい方や、ガス併用のご家庭、一世帯家族、ペットや小さいお子様のいないご家庭にも、特定負荷型の蓄電池がおすすめです。
蓄電池の全負荷型と特定負荷型について紹介しました。同じ蓄電池でも、全負荷型と特定負荷型では特徴や値段が異なります。それぞれのご家庭のライフスタイルや、電気の使い方、災害時の電気に対する考え方などを考慮しながら、どちらのタイプの蓄電池にするか検討してみてください。