蓄電池は停電時に使えるのか?電力確保の安心と利用方法とは
電力を貯められる蓄電池ですが、停電時の非常用電源として使えるメリットがあります。しかし、実際に停電したとき、本当に蓄電池を使えるのか不安を感じる方もいるはずです。実は、停電時に蓄電池を使えない場合があります。そこで、停電時に蓄電池を安心して使う方法を解説します。蓄電池の導入を迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
蓄電池は停電時に本当に使えるのか?
何らかの原因で停電したとき、蓄電池は本当に使えるのでしょうか。答えは使えます。非常用電源としての役割を持つ蓄電池なので、停電しても必要最低限の電気を使えるでしょう。
ただし、突然停電してしまったとき、何らかの原因で使えない場合があります。そのため、突然の停電でも蓄電池の電力をスムーズに使えるよう、操作方法の確認や対策が必要です。
停電時に蓄電池が使えない原因
停電時に蓄電池が使えない原因として考えられるのは、以下の2点が原因であることがほとんどです。詳しく解説します。
電力の残量が不足している
電力の残量が不足していると、停電時に蓄電池を使えません。蓄電池は、電力の残量が一定数まで減ると、自動で運転が停まり、電気を使えなくなります。電力の残量不足によって蓄電池が使えない事態を防ぐには、常に一定量の残量を残しておく必要があります。蓄電池によっては、非常時に備えて一定量から電力を減らさないようにする機種もあるため、蓄電池を選ぶときの基準にしてもよいでしょう。
電気の使い過ぎ
蓄電池があるからといって電気を使いすぎると、運転が停まって蓄電池が使えなくなります。停電時に蓄電池が使える容量は、最大でも15A~20Aの電化製品です。すると、同時に使える電化製品は最大1500W~2000Wになります。ここで、日常生活における消費電力量を電化製品別で紹介します。
・冷蔵庫 30W~45W
・電子レンジ 500W~1,000W
・電気ケトル 1,000W~1,300W
・エアコン 500W~2,000W
・LED照明 30W~80W
・スマートフォンの充電 3W~10W
・液晶テレビ 100W~300W
・ヘアドライヤー 600W~1,200W
・掃除機 800W~1,100W
冷蔵庫やLED照明といった、長時間連続して使うような電化製品は、消費電力量が少ないことがわかります。一方、電子レンジや電気ケトルなど、短時間で熱を発生させる電化製品は、消費電力量が大きいです。実際に停電が起きたとき、次の消費電力量であれば1日程度は過ごせるでしょう。
・エアコン 6,000Wh 5時間
・冷蔵庫 840Wh 24時間
・LED照明 200Wh 4時間
・スマートフォンの充電 20Wh 2時間
ただし、蓄電池の容量や使用環境によってどのくらいの時間過ごせるかは異なります。電気の使い過ぎで蓄電池の運転が停まることがないよう、あらかじめ停電時に使える電力の量を確かめておきましょう。
特定負荷用分電盤のブレーカーが落ちている
蓄電池のなかでも、特定負荷用分電盤を利用している場合、ブレーカーが落ちていることがあります。ブレーカーが落ちていると、停電時に蓄電池を使えません。特定負荷用分電盤を利用している場合は、ブレーカーが落ちていないか確認しましょう。また、パワーコンディショナ用のブレーカーが落ちていても蓄電池を使えないので、落ちていないか確かめてください。
停電時は蓄電池を「自立運転」にする
停電時に蓄電池を使うためには、蓄電池を「自立運転」に切り替えなければいけません。一般的な蓄電池は、普段は「経済モード」や「グリーンモード」になっていることが多いですが、このままでは停電時に蓄電池を使えません。
そこで自立運転に切り替えると、停電時に蓄電池を使えるようになります。機種によって、自動で切り替わる蓄電池と、手動で切り替えなければいけない蓄電池があります。ここからは、自動で切り替わる機種と手動で切り替える機種の操作方法をそれぞれ見ましょう。
自動で切り替わる場合
停電時に自立運転へ自動で切り替わる蓄電池は、停電が起こってから5秒ほどで自立運転に切り替わります。したがって、特に操作は必要ありません。ただし、自動で切り替わる機種で注意しなければならないのが、蓄電池の初期設定です。
初期設定で、自動切り替え設定になっていないと、手動で切り替えなければなりません。そのため、蓄電池の導入時に自動で変わる設定になっているかどうかを必ずチェックしましょう。
手動で変える場合
手動で変える蓄電池の場合、停電時に慌てないようにあらかじめ操作方法をマスターしておきましょう。一般的な操作方法では、主電源と太陽光の2つのブレーカーを切ると、自立運転に切り替わります。ただし、詳しい操作方法は機種によって異なるため、必ず取り扱い説明書を確認してください。
蓄電池を選ぶときは自動切り替え製品がおすすめ
蓄電池を選ぶときは、自動切り替えタイプの機種を選ぶことをおすすめします。実際に停電が起こると、焦ってしまって自立運転モードへの切り替えがうまくできないことも少なくありません。自動切り替えなら、蓄電池が自ら停電を察知してモードを切り替えてくれるため、停電時も安心です。したがって、これから蓄電池を導入する方は、自動切り替えタイプのものを選びましょう。
まとめ
せっかく導入した蓄電池も、いざ停電時に使えなければ意味がありません。停電しても慌てずに蓄電池が使えるよう、自立運転への切り替え方法をあらかじめ確認しておきましょう。また、電力の残量や電気の使い方によっても、蓄電池の運転が停止してしまいます。停電時に安心して蓄電池を使うためにも、電力の残量に気を付け、いざというときの電化製品の使い方を確認することをおすすめします。