蓄電池の選択！売電と自家消費、どちらがよりお得な選択か？

公開日:2023/08/15　　最終更新日:2023/06/26

太陽光発電で発電した余剰電力を売電と自家消費どちらに回すか悩む方は多いでしょう。FITの買取価格が下がってしまった今、自家消費という方法を視野に入れる方が増えています。そこで本記事では、売電と自家消費のどちらがお得かどうかと、自家消費で蓄電池を利用するメリットとデメリットを解説します。

そもそも売電とは
売電より自家消費のほうがお得？
自家消費で蓄電池を利用するメリット・デメリット
まとめ

そもそも売電とは

本題に入る前に、そもそも売電とはどのようなものなのか、理解を深めておきましょう。売電とは、太陽光発電で発電した電力を、電力会社に売ることです。太陽光発電で発電した電力は、基本的には家庭内で使います。

しかし、発電した電力が余ることがあます。余った電力のことを「余剰電力」といいます。売電は、この余剰電力を電力会社に売ることになります。太陽光発電のメリットは、電気を自家発電できるだけでなく、余剰電力を売電して収入が得られることです。

売電におけるFIT制度

売電には、FIT制度が適用されます。FIT制度とは、余剰電力を売電するとき、一定期間の間、電力会社が一定価格で電力を買い取ってくれる制度です。一般的な家庭用太陽光発電では、FIT制度が適用されるのは10年間です。

売電より自家消費のほうがお得？

売電と自家消費は、自家消費のほうがお得といえます。なぜなら「電力会社から電力を買うより、太陽光発電で発電した電力を使うほうが安い」といわれているからです。これは、余剰電力を売電するより、自分で使ったほうがお得ということを指します。

また、FIT制度の売電価格が年々下がっているのも大きな要因でしょう。FIT制度の終了後はさらに下がってしまい、売電収入はわずかになってしまいます。これらの理由から、余剰電力は売電するよりも自家消費のほうがお得といわれています。

自家消費で蓄電池を利用するメリット・デメリット

余剰電力を自家消費するにあたって欠かせないのが、蓄電池の導入です。蓄電池は、太陽光発電で発電した電力を貯められる住宅設備です。ではここから、自家消費で蓄電池を利用するメリットとデメリットを解説します。

メリット1.買取価格の変動の影響を受けずに済む

自家消費で蓄電池を利用すると、売電の買取価格の変動の影響を受けずに済みます。FIT制度が終了すると、売電価格は電力市場によって変動すます。そのため、毎月の売電収入に差が生まれます。そこで蓄電池を利用して電気を自家消費すれば、買取価格の変動を受けずに済みます。

メリット2.電気代を節約できる

蓄電池を利用して電気を自家消費すると、電気代を大きく節約できます。太陽光発電のみの場合、発電した電力を使えるのは太陽光がある日中のみです。そのため、夜間は電力会社から電力を買わなければいけません。

そこで蓄電池を導入すると、太陽光発電で発電した電力を貯められます。太陽光がない夜間でも、蓄電池に貯めた電力を使えるため、1日中発電した電力を使えます。結果的に、電力会社から電力を買う量が大幅に減るため、電気代の節約につながります。

メリット3.停電時の非常用電源として使える

蓄電池に電力を貯めておけば、停電時の非常用電源として使えます。万が一停電が起こってしまっても、蓄電池の電力を使って必要最低限の生活ができます。自然災害が多い日本で、蓄電池の導入は大きな安心材料になるでしょう。

メリット4.時間帯を気にせず電気を使える

蓄電池を利用して自家消費を行うと、時間帯を気にせず電気を使えます。太陽光発電のみの場合、夜間の電気料金を安いプランに変更し、消費電力の多い電化製品は夜間に使うというケースが多いです。しかし、蓄電池があれば1日中自家発電した電力を使えるため、時間帯を気にせず電気を使えるようになります。

デメリット1.導入コストがかかる

蓄電池を利用して自家消費をするデメリットは、蓄電池の導入コストがかかることです。容量やメーカー、機種によってかかる費用はかかりますが、100万～300万円が相場とされています。

デメリット2.蓄電池の設置場所が必要

蓄電池を設置するためには、屋外にある程度のスペースが必要です。すでに太陽光発電がある場合、パワーコンディショナーを設置していることが多いため、追加で蓄電池を設置できるか確認しましょう。

デメリット3.経年劣化する

蓄電池は、経年劣化します。充放電回数が寿命を迎えると、蓄電池に貯められる電力の量が減ってしまうのです。寿命を迎えて電力を貯められなくなると、蓄電池を買い替えなければなりません。蓄電池を導入するときは、いずれ買い替えなければいけないことを念頭に置いておきましょう。

まとめ

売電と自家消費のどちらがお得かどうかと、蓄電池を利用して自家消費するメリットとデメリットを解説しました。太陽光発電のFIT制度が終了すると、余剰電力を売電するか自家消費するかは、どのご家庭でも出てくる悩みです。近年は売電価格が低下していることもあり、蓄電池を導入して自家消費のほうがお得とされています。これまで売電収入を得ていたという方も、蓄電池という選択をして電気の自家消費をしてみてはいかがでしょうか。