交換に関する不安を払拭!蓄電池を買い替えるべきタイミングとは?
災害発生時にも役立ってくれる蓄電池ですが、半永久的に使い続けられるわけではありません。各機種を調べてみると、10年や15年などと記載されていると思います。しかし使い方によって、使用年数は長くなることもあれば短くなることもあります。そこで今回は、蓄電池を買い替えるべきタイミングについて解説いたします。
蓄電池を買い替えるべきタイミングとは?
蓄電池を買い換えるおすすめのタイミングをご紹介します。ちなみに「耐用年数=寿命」と捉えている方も多いですが、そもそも耐用年数とは固定資産の資産的価値を表したものに過ぎません。つまり寿命とはまったく関係ないものなので注意しましょう。
■まず蓄電池は寿命を把握すること
まず蓄電池にはいくつかの種類があり、その種類によって寿命が異なる点に注目しましょう。最も短いのがリチウムイオン電池であり、5年から7年程度で寿命が来るとされています。またレドックスフロー電池も短めで6年から10年程度になります。
一方で高寿命とされているのがNAS電池であり15年程度、鉛電池はさらに長く17年程度とされています。ただ家庭用の蓄電池については基本的にリチウムイオン電池になるので、5年から7年程度を意識しましょう。ただ使い方によって、その5年から7年も大幅に変わる可能性があり、さらに近年の蓄電池は高性能なので基本的に10年以上は使用可能とされているのでご安心ください。
■充放電回数の上限を超えた
蓄電池の充放電回数には上限があります。容量が0%から100%まで充電し、再度0%まで放電する流れを1サイクルとします。一般的な家庭用蓄電池の放電回数は、4,000回から15,000回とかなりバリエーションがあります。仮に1日で1サイクルを利用する場合でサイクル上限が4,000回であれば、約11年で寿命が来ることになります。
ただサイクル寿命が終わったとしても、即使えなくなるわけではありません。充電能力等が若干落ちますが、それでも使い続けられるケースがほとんどです。
■故障した
サイクル回数などに関係なく蓄電池は故障することもあります。メーカーの保証期間内であれば修理してもらえますが、中には交換が必要になることもあるのです。蓄電池の調子がおかしいなと思ったら、一度メーカー側に問い合わせてみましょう。もしかするとどこかに故障を抱えているかもしれません。
■蓄電容量が減ってきた
蓄電池はその性質上、使い続けると徐々に容量が減ってきます。つまり蓄えられる電気量が少なくなるのです。使い始めた当初を100%とすると、10年程度で70%から80%まで落ち込むとされています。さらに長く使うと、60%や50%、それ以下にもなるのです。蓄電容量が少なくなれば使い勝手も悪くなるので、買い替えの検討に入るべきです。
蓄電池の寿命を縮めるNG行為を知ろう!
蓄電池は使い方一つで定命がまったく異なります。ここでは蓄電池の寿命を縮める問題のある使い方をご紹介します。
■過度な充放電を行う
あまり意識していないかもしれませんが、すでに充電が満タンなのにさらに充電し続けていないでしょうか?0%になるまで放電していないでしょうか?もしそれらの行為を行っているのであればすぐに辞めましょう。電池に負担をかける行為になるので、寿命が短くなります。
■直射日光や雨に当たるなど高温多湿な場所に設置する
設置場所の環境は蓄電池の寿命に大きな影響を及ぼします。とくにNGとされているのが直射日光や雨に当たるような場所です。日光に当たる場所に設置すると、蓄電池自体が熱を持ちやすくなり劣化を早めます。また雨に定期的に当たることで、サビが発生するなど故障の原因になることも考えられるのです。
蓄電池を長持ちさせるコツ!
蓄電池の寿命を縮めるNG行為はわかりましたが、蓄電池を長持ちさせるコツも知りたいところでしょう。こちらでは、蓄電池を高寿命化させるちょっとした方法をお伝えします。
■充電や放電をこまめに行う
前述したように、過度な充電や放電は電池に大きなダメージを与えます。そこで充電と放電をこまめに行うのです。イメージですが、たとえば充電容量が90%になったら充電をストップし放電、50%になったら充電開始といった感じです。サイクル回数の制限についても、あくまで0%から100%を1回としたものであるため、こまめに充電と放電を繰り返してもとくに劣化することはないので安心してください。
■日が当たらない風通しのよいところに設置する
高温多湿ではないところに設置するだけでも、蓄電池の寿命は長くなります。家の南側に設置すると、日差しに長時間当たることになるので、家と太陽の角度を計算するなどして設置場所を決めるとよいでしょう。家の立地的に日の当たるところに置かざるを得ない場合は、ヒサシや樹木などで日が当たりにくいように工夫するのもおすすめです。
■高寿命の蓄電池を購入する
近年ではサイクル回数が10,000回を超える蓄電池もでてきました。うまく使えば、20年以上使用し続けられる可能性のあるものであり、長く利用する予定があるのであれば最初から高寿命タイプの蓄電池を購入するのもおすすめです。
蓄電池を買い替えるべきタイミングをお伝えしました。まずは蓄電池の種類ごとに寿命を把握しましょう。その上で充放電回数の上限を超える・故障する・蓄電能力の低下などが目安になります。蓄電池を高寿命化させるコツについてお伝えしたので、導入予定の方は参考にしてみてください。