決して安くない買い物!蓄電池の導入費用を抑えるテクニックとは?
災害対策の一環として大きな注目を集めるのが蓄電池ですが、導入するには当然ながらコストが発生します。蓄電池を購入するために費用や設置費用はどの程度かかるのでしょうか。メーカーごとにも若干コストには違いがあるので、そのあたりも詳しくお伝えします。これから蓄電池の購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
蓄電池を家庭に導入するメリットとは?
まずは蓄電池を一般家庭が導入するメリットを確認しましょう。
■発電した電力を自宅で使える
これまでの太陽光発電システムでは、電力会社に売電するしかありませんでした。しかし、太陽光発電システム普及を目的とした売電単価の買い取り価格制度は残念ながら終了しています。そこで蓄電池の出番となりました。太陽光発電で発電した電力を蓄電池に蓄積させることで、太陽光が出ていない夜や雨天の時に発電した電力を活用できるようになるのです。
■電気代の節約になる
発電した電力を使えば当然電気代の節約になるのですが、電力会社から供給される電力をためられるのも蓄電池のメリットです。電気代は利用する時間によって異なることをご存知でしょうか。たとえば東電ですが、23時から翌午前7時までは1kWhあたり12円48銭(税込)になります。
一方で7時から10時、17時から23時は26円49銭(税込)、夏場の昼間の時間帯は39円44銭(税込)にもなるのです。つまり時間帯によって電気代には3倍以上の開きがあります。たとえば電気代が安い深夜から朝方に電気を蓄電池にためておき、昼間にその安く買った電気を利用すれば電気代の大幅な節約につながります。
■災害に強い
地震などの災害が発生すると、停電が起こることも珍しくありません。復旧までに数日かかることもあり、生活に大きな影響が出る可能性もあるのです。しかし太陽光発電システムと蓄電池があれば作り出した電気をためられるので、停電中でも家電製品を利用できます。エアコンや冷蔵庫などが使えるので、災害発生時にも普段に近い生活が維持できるのです。
蓄電池の導入費用の相場
蓄電池を導入するためにかかるコストを徹底解説します。まずは相場の変遷を確認し、その上で導入コストを明らかにするので、蓄電池の利用を検討されている方は必見です。
■蓄電池の導入費用は年々下落
資源エネルギー庁の発表により、近年蓄電池の目標価格が徐々に下落していることがわかります。たとえば耐用年数10年の蓄電池1kWhあたりの目標価格は2016年で20万円でしたが、2020年には6万円まで低下しています。
耐用年数15年の蓄電池は1kWhあたりの目標価格は2017年で22万5,000円でしたが、2020年には9万円まで低下しています。目標価格は国が設定している家庭用蓄電池の補助金の受給条件であるので、大きな基準となります。各社も目標価格に合わせて価格設定をしているので、年々下落しているという部分は注目です。
■蓄電池の本体価格相場をご紹介
蓄電池には容量があり、その容量により価格は大きく変化します。ここでは4人家族で使用するのに適切な容量とされる5kWhから7kWhの蓄電池の大手メーカーごとの相場をご紹介します。
まず比較的安価なものが多いパソソニックでは、80万円から100万円程度が目安になります。シャープの場合は120万円から150万円程度で京セラも同等です。東芝は140万円から160万円程度であり、NECもほぼ同じような価格で販売しています。価格を見て少し高いと思った場合は、容量を少し下げてもよいかもしれません。照明程度でよいのであれば、2kWhや4kWh程度のものでも充分です。
■設置工事費用と電気工事費用相場をご紹介
設置工事費用と電気校費費用をあわせると、おおむね20万円から30万円程度かかります。本体価格とは異なり、設置工事と電気工事費用は蓄電池の容量によって大きく変化することはありません。したがって大きかろうが小さかろうが、20万円から30万円程度は発生するのです。
蓄電池の導入費用を抑えるテクニック!
蓄電池を導入しようとすると、100万円を大幅に超えるため驚いてしまった方も多いでしょう。導入を断念しようとしている方もいるかも知れません。ただ蓄電池の導入費用を抑えるコツがいくつかあり、費用を抑えられるケースもあります。
■ちょっと古めの蓄電池を購入する
新型の蓄電池は高性能ですが、高く設定されていることも珍しくありません。そこで型が少し古めの蓄電池を選ぶのです。新作と比較すると、それほど機能は変わらずに数万円から数十万円程度安くなることも珍しくありません。最新の蓄電池にとくにこだわりがないのであれば、少し古めのものも検討しましょう。
■補助金制度を活用する
蓄電池の導入に関しては、各自治体の補助金制度を利用できる場合があります。東京都では令和3年度で1kWh当たり7万円が補助対象であり、時補助上限額は42万円にもなります。ただ助成金制度を利用するためには、一定の条件をクリアしなければならないのでご注意ください。補助金制度に関しては蓄電池販売店が詳しく理解しているので、見積もりの際に聞いておくとよいでしょう。
■蓄電池を正しく利用する
蓄電池には耐用年数がありますが、それを超えても使い続けることは可能です。一方で、使い方によっては寿命が早くやって来ることも考えられます。長寿命化させれば、それだけ蓄電池をお得に利用することになります。そのためには過充電や過放電を控えること、高温多湿の場所では使用しないなどの工夫が必要です。
蓄電池を導入するためには、設置費用・工事費用も合わせると100万円以上はかかります。ただメーカーによっても金額は大きく異なるので、相見積もりなどを活用されるとよいでしょう。また導入コストを引き下げる方法もご紹介したので、ぜひ活用されてみてください。とくに補助金制度を活用すれば、大幅にコストが下げられるのでおすすめです。