家庭用蓄電池はどう選べばよい?失敗しない選び方とポイントをご紹介
「家庭用蓄電池を導入したいけどどのように選んだらよいか分からない」「容量はどう違うの?」などお困りの方はいませんか?本記事では家庭用蓄電池を導入する方へ向けて、家庭用蓄電池の選び方を容量と停電時の使い方の側面から解説しています。容量で選ぶ際の簡単な計算式も用意しているため、ぜひご自身で適切な容量を算出してみてください。
蓄電池は2種類ある
蓄電池には、その機能や用途に応じて主に2つの種類があります。以下でその違いについて、説明します。
単機能型
単機能型とは、電気を溜めておける標準的な蓄電池です。太陽光発電がない住宅に設置するなら、単機能型蓄電池を選ぶとよいでしょう。また、太陽光発電がすでに設置されている場合でも、太陽光発電のパワコンが一般的な機械寿命である10年に満たない場合は、太陽光発電のパワコンを変える必要がないため、単機能型蓄電池を選ぶのがおすすめです。
ハイブリット型
電気を溜める機能に加えて、太陽光発電の電気を溜めておけるのがハイブリット型蓄電池です。太陽光発電のパワコンと蓄電池のパワコンが一緒になっているため、変換効率がよく、スペースもかさばらないのが特徴です。
太陽光発電が設置されていても、電気を溜められることは、災害時でも長く電気を利用できることにつながるため、災害時の電気が心配という方は、ハイブリット型がよいでしょう。
蓄電池は容量で選ぶ
蓄電池の選び方にはいくつかありますが、ここでは容量に焦点を当てて解説します。
太陽光発電有パターン
自宅に太陽光発電を設置している方は、太陽光発電システムの容量に合わせて、蓄電池の容量を選ぶのが効果的です。太陽光発電を選ぶうえで、最適な計算式を紹介します。
・STEP1
「太陽電池の容量×3[kWh]=1日当たりの発電量[kWh]」
・STEP2
売電の検針票を確認し、一日当たりの充電量を「期間の売電量」「検針期間」から求めます。検針票を用意するのは発電量の多い、5、8、9、10月あたりがよいでしょう。
「期間の売電量[kWh]÷検針期間=一日当たりの充電量[kWh]」
・STEP3
購入電力量の検針票より、期間の購入電力量と検針期間を調べます。こちらもSTEP2と同じような月から選ぶとよいでしょう。
「期間の購入電力量[kWh]÷検針期間=一日当たりの購入電力量[kWh]」
・STEP4
上記4stepから求めた答えから、もっとも小さい数値を選び以下の式に代入します。
「STEP1・2・3でもっとも小さい数値÷0.85=最適なシステム容量[kWh]」
以上が、自宅の太陽光発電設備にあった蓄電池の容量になります!
太陽光発電無パターン
次に太陽光発電がない方の選び方を解説します。太陽光発電がない方の蓄電池使用法は、深夜に蓄電池を溜め、日中は蓄電池の電気を利用して電気料金を抑えるといった形になります。
そのため、朝、昼、夕、深夜一日を4分割したときに、朝昼夕の電気使用量を調べてみてください。電気使用量が分かれば、以下の式から適切な蓄電池容量を算出できます。
「朝昼夕の電気使用量[kWh]÷30[[日]=蓄電池容量[kWh]」
蓄電池は停電時の違いで選ぶ
蓄電池は停電時に電気が使用できるという面もあるため、停電時の使用感で選ぶのもおすすめです。ここで解説に必要となる「一時間当たりの家電別消費電力量」を紹介します。
・家電:単位[kWh]
・部屋の照明:0.05
・スマホ充電:0.01
・電子レンジ:1.0~1.5
・冷蔵庫:0.1
・エアコン:1
最低限の家電が動けばよい場合
停電時でも最低限の家電が動けばよいと考えている方は、上記の中でも部屋の照明、冷蔵庫、スマホ充電程度でしょう。すると一日当たりの電力消費量は部屋の照明12時間(0.6[kWh])冷蔵庫24時間稼働(2.4[kWh])スマホ充電2時間(0.02[kWh])とすると合計「0.6+2.4+0.02=3.02[kWh]」となります。
普段と変わらない生活がしたい場合
しかし、普段と変わらない生活がしたい場合には、先ほどの式に加えてエアコン8時間稼働(8[kWh])電子レンジ使用時間合計1時間(1.5[kWh])等を加えると「3.02+8+1.5=12.52[kWh]」となり、電力消費量がまったく違うのが分かると思います。
とにかくエアコンの消費電力の占める割合が大きい(8÷12.52=0.6389→64%)ですから、災害時にエアコンを使用したいと考えている場合には、とにかく大きい蓄電池が必要だといえるでしょう。それでもエアコンを8時間使用すると、蓄電池の電池はほとんど使いきってしまうため、エアコンの利用は最低限と考えておく方が安全です。
蓄電池を選ぶときのポイント
太陽光発電メーカーとの兼ね合い
太陽光発電をすでに設置していて蓄電池を導入する場合には、太陽光発電のメーカー保証を確認しておきましょう。太陽光発電と蓄電池のメーカーが異なる場合に、太陽光発電の保証が効かなくなる可能性があります。そのため、保証対象内の蓄電池を購入するか、太陽光発電と同じメーカーの蓄電池を購入すると安心です。
補助金制度の有無
蓄電池を導入する際には、地方自治体の補助金やSiiを利用できるかを確認しましょう。Siiとは、一般社団法人環境共創イニシアチブという団体を意味し、主にエネルギーや環境分野にて支援活動を行っています。Siiでは蓄電池の補助金制度を行っているため、対応メーカーであれば安く蓄電池を導入できます。地方自治代の補助金も同じ理由で、確認しておくとよいでしょう。
いかがでしたか?今回は蓄電池の選び方について、容量と停電時の面から解説しました。自分に合った蓄電池を選ぶには、自宅の太陽光発電の有無が重要になってきます。また、太陽光発電がある場合でも、売電量や発電量との兼ね合いが必要になるため、本気で導入を考えている方は、太陽光発電のメーカーと一緒に蓄電池を選ぶとよいでしょう。