蓄電池の訪問販売は危険?実際にあった問題事例を紹介
太陽光発電の固定価格買取制度終了検討などのニュースに便乗して、蓄電池を販売している業者が多いようです。しかし、蓄電池の訪問販売による被害報告が増えているようです。
悪質な蓄電池の訪問販売には、どういった事例があるのか知っておくことで被害を未然に防ぐことができます。ここでは、蓄電池の訪問販売のトラブル事例を紹介します。
契約するまで帰ってくれない
悪質な業者は相場よりも著しく高い価格で蓄電池を販売しています。「工事費無料」を謳っていることが多いですが、実際には機器代金が相場よりも高く設定されているのでトータルでみると安くないことがわかります。
こういった業者は他の業者からも見積りをとって比較をすればすぐに見抜くことができますが、業者側はそれを避けるためその場で契約を結ばせようとします。「この価格で購入できるのは今日だけです」「今日契約してくれればここまで割引できます」といったトークで契約を迫ります。
そもそも突然の訪問セールス自体が怪しいので、できれば家に入れないことがベストですが、電力会社の関連会社をかたっていることも多く完全にシャットアウトするのは難しいかもしれません。契約をするまで帰ってくれず、何時間も居座るケースも報告されています。
気の弱い人や優しい人が根負けして、契約してしまうことも多いようです。仕方なく契約してしまった場合はクーリングオフを使って契約を無効にできます。訪問販売は契約を結んでから8日間以内であれば、一方的に無条件で契約を解除できます。
ハガキに契約内容と契約解除の旨を記載し、はがきの両面のコピーを取ったうえで、特定記録郵便や簡易書留など発信の記録が残る方法で送付してください。
名前を名乗らず、名刺も置いていかない業者
蓄電池の訪問販売業者が家に訪れたときには、一般的には名前や会社名をしっかりと名乗り、名刺や資料をお客さんに渡して商談を進めていきます。中には、社員証に顔写真がついているものもあり、しっかりと身分を明かしたうえで話を進めていく業者もあります。
しかし、名前や名刺を置いていかず、身分を明かさない業者も存在します。資料などは持参しながら説明していたとしても、商談が終わると資料や名刺をお客さんに渡さずに、持って帰る業者もいます。
その理由としては、商談後に自身の会社を調べられたくないためです。近年はネットで会社名などを検索すると、口コミなども確認できてしまうため、実情を知られたくない業者は会社の情報を残していきません。
こういった悪徳業者は強引な営業手法で契約を獲得していることが多く、悪い口コミなども見つけられることでしょう。そのため、会社の情報がわかるような情報は残さないようにしていることが大半です。
もしこのような業者に遭遇したときには、今後の参考にしたいなどと伝え、資料や名刺を置いて帰ってもらうことを促してみるのも方法のひとつです。このようなやりとりを行ったあとにも、名刺や資料を置いて帰られない業者には注意が必要です。
悪徳業者である可能性が高いため、身分を明かさない業者にはすぐには心を許さずに即決してしまわないようにするとよいでしょう。
説明された内容と実際の契約内容が違う
蓄電池の訪問販売では、説明していた内容と実際の契約内容が異なるケースもよくあります。蓄電池は、さまざまなメーカーがいろいろな商品を販売しています。
どの蓄電池が適しているかは各家庭の家族構成やライフスタイルによって異なります。悪質な訪問事業者は、その家庭に見合わない容量の高額な蓄電池を提案したり、提案の際は家庭に合った内容の蓄電池だったのに契約書に記載されているのは別の高額な機種だったりします。
工事費用やモニターなどの極端な値引きも悪質販売業者の特徴です。また、悪質業者は話したいことだけを一方的に説明する、メリットだけを説明してデメリットについて教えてくれない、「月々〇万円の経済効果」など虚偽のシミュレーション説明をするといった特徴もあります。
こういった説明を受け、お得に感じて契約してしまうケースもあるので注意が必要です。きちんとした業者は質問に対して納得のいく回答をしてくれるものです。
悪徳業者は細かい質問をするとはぐらかしたり、答えられなかったりするので「自分が気になった点にきちんと回答できるか」ということも悪徳業者を見分けるポイントになります。前述のとおり、説明と契約書の記載内容が異なることがあるので、契約書を細部までチェックするのも忘れないようにしましょう。
蓄電池を設置したもののアフターフォローが一切ない
悪質な業者から蓄電池を購入してしまうと、アフターフォローが受けられず困ることになります。蓄電池は10年~15年は継続して使うものです。
高額な代金を支払って購入した蓄電池が施工不良や機器の故障ですぐに使えなくなってしまったという事例もあります。きちんとした業者であれば機器と工事それぞれに保証が設けられているので、不具合にはすぐに無料で対応してもらうことができます。
また、自然災害に対する補償やアフターフォロー体制も用意されています。契約時は保証の範囲や年数を必ず確認してください。
また、工事の詳細を説明してくれるかどうかもチェックポイントです。蓄電池の機器はかなりサイズが大きく、重量もあります。事前に設置場所の確認を怠って、玄関横の目立つ場所に大きな蓄電池を設置することになってしまったり、屋内設置型の蓄電池の重量が床の耐荷重を超えてしまったりといったトラブル事例もあります。
しっかりと知識を持った販売員であれば設置場所についてもきちんと説明できるはずです。設置や工事についてしっかり説明をしてくれる業者を選びましょう。また、蓄電池を購入する業者が信頼できる会社かどうか、必ず事前に確認してください。
創業年数は5年以上、実績は1,000件以上を目安にするといいでしょう。実績が多いほど施工技術やフォロー体制が安定しています。
24時間365日のサポート体制が用意されている会社もあります。蓄電池の導入時、アフターフォロー体制は必ずチェックが必要な項目と覚えておいてください。
紹介したとおり、蓄電池の訪問販売を行う業者には悪質な業者が多くあります。大切なことは、その場で契約をせず必ず複数業者と比較・検討をすることです。
万が一契約してしまっても、契約後8日以内であればクーリングオフを利用して契約解除できます。悪徳業者の被害に遭わないよう、業者の営業手法や被害の回避方法について知識を持っておきましょう。