蓄電池の設置におすすめの場所とは?屋内・屋外のどこに置くべき?
節電と災害時の電気供給のため、太陽光発電と併用した家庭用蓄電池の設置を検討する人が多くなりました。しかしいざ設置となると、気象、立地、設置環境など各家庭で条件は異なります。家庭用蓄電池を最も効率よく設置するにはどうしたらよいでしょうか?ここでは家庭用蓄電池はどこに設置すべきか、おすすめの場所を解説します。
家庭用蓄電池はどこに設置する?
家庭用蓄電池とは充電して電気をため込んでおき、必要なときに電気機器と接続して、電気を供給するバッテリー機械を指します。太陽光発電と併用して多く使われますが、容量によっては10時間以上、電源として使用できるようです。災害時に電気の供給が断たれたときは家庭用蓄電池があれば、電気機器が使用できます。
家庭用蓄電池は屋内設置タイプ、屋外設置タイプ、屋内外両用設置タイプの3種類があり、メーカーによって設置条件、環境が異なるので、実際の設置は専門家の意見を参考にしましょう。
蓄電池を屋内に設置する場合
家庭用蓄電池を屋内に設置する場合、設置場所が機器の重量に耐えうる耐荷重を持っていなければなりません。蓄電池本体サイズに加えて搬入、設置、メンテナンスに必要なだけのスペースを確保しましょう。スペースに余裕がない家庭は、軽量タイプや壁掛けタイプのものを選ぶと良いようです。壁に蓄電池の重量に耐える強度があるかを確認してください。
設置場所は高温多湿を避け、配線に問題がない場所を選びます。分電盤や使用したい機器の近くに設置すると便利ですが、脱衣所など湿度が高い場所は避けてください。微量な運転音があるので、寝室、書斎には不向きといわれています。蓄電池を屋内に設置すると、外気や雨に触れず、直射日光に当たることもほとんどないので、性能が長持ちするようです。ただし屋内用蓄電池は屋外用蓄電池に比べ、バッテリー容量は小さくなります。
蓄電池を屋外に設置する場合
屋外用蓄電池は容量が大きく、太陽光発電と併用すればゼロエネルギー住宅が実現する場合もあります。しかし、屋外は屋内よりも外部刺激が多く、設置条件はさらに厳しくなるようです。基本的に屋外用蓄電池の設置条件は、以下の6点があげられます。
塩害地域でない
海岸から200m~500m以内の地域、離島などは重塩害地域とされています。塩害の強い地域では、屋外用蓄電池の設置は困難です。高い性能を長く発揮させるには、海の近くでの設置は避けなければなりません。メーカーと相談を要しますが、塩害地域であっても風向きや住宅の向きを考慮すると設置可能になる場合もあります。
直射日光があたらない
家庭用蓄電池は高温に弱い機器です。日光が直接当たる場所に設置はできません。家屋の北向きがおすすめですが、住宅によっては実現不可能な場合もあります。家屋の南向きは1日の日照時間が最も長いので、蓄電池の設置は避けましょう。
雨が直接あたらない
家庭用蓄電池は湿気も避けなければなりません。雨が直接当たると劣化、故障の原因となります。本体に防水処置がされていますが、結露が少なく、水分の流入がない場所を選びましょう。
積雪のない地域
家庭用蓄電池は積雪の影響で性能が劣化します。設置場所の基礎を高く上げる、軒下に設置するなどの対策が必要です。気温が-10℃以下の地域ではリチウムイオン電池が正常に動作しないので、一部の寒冷地には蓄電池の販売をしないメーカーもあるようです。
標高1500m以下
標高が高い場所に家庭用蓄電池の設置はできません。標高1500m以下の場所に限られます。
高温、低温でない場所
温度が高過ぎる場所、温度が低過ぎる場所は家庭用蓄電池の設置に不向きです。メーカーによって異なりますが、およそ-10℃~40℃の状態にある場所を選びましょう。
蓄電池を不適切な場所に設置するリスク
家庭用蓄電池の各メーカーは、製品に対して設置不可となる場所を明記しています。メーカーの推奨する設置条件を無視して、任意の場所に家庭用蓄電池を設置すると、万が一の故障があっても、保証の対象外となってしまうので注意が必要です。直射日光が多い場所や塩害の強い場所に設置すると劣化が早くなり、故障の原因となります。家庭用蓄電池は高額商品ですから、できるだけ長持ちさせ、効率よく蓄電させましょう。
ほこり、粉塵が本体に侵入すると発火したり、破裂したりする大きな危険があります。粉塵の入らない場所に設置し、定期的なメンテナンスをして、本体のパフォーマンスを維持してください。屋内用蓄電池は設置場所の床、壁の強度を十分確認しておかないと、床が抜ける、変形するなどのリスクがあります。大変危険な状態に陥るので、設置場所の選択は念入りにし、最終的には業者に相談しましょう。
まとめ
家庭用蓄電池は節電と災害時に活躍するバッテリー機器です。屋内に設置する場合は床、壁の強度が蓄電池の重量に耐えるか、十分確認してください。屋外に設置する場合は、直射日光を避け、雨水の流入が無い場所を選びます。塩害地域、積雪地域ではメーカーによって設置が難しいでしょう。メーカーの設置条件を正しく守らないと、保証対象外となり、劣化、故障の原因となります。