蓄電池を設置する際に起こりうるトラブルとその回避方法
「蓄電池の導入で後悔している」という人には、どういったケースがあるのでしょうか。これから蓄電池を設置しようとしている方は、トラブルを避けたいですよね。トラブル事例を知っておくことで、あらかじめ対策をしてトラブルを回避できます。ここでは蓄電池の設置を検討している人に役立つ、蓄電池の導入にまつわるトラブル事例を紹介します。
設置スペースで失敗した
蓄電池のよくあるトラブル事例として「蓄電池のサイズが想定以上に大きかった」「蓄電池を玄関横の目立つ場所に設置することになってしまった」といった設置スペースにまつわるものがあります。この失敗の原因は、設置業者側が「どこにどの程度のサイズの機器が設置されるか」を説明していないことと、購入者も事前確認を怠っていることにあります。
「家の裏側に設置する予定が、いざ設置する時になって必要な遠隔距離が取れないことが判明し、家の表側に存在感のある蓄電池を設置することになってしまった」「屋内設置型を設置する予定が、床の耐荷重を超えていることがわかった」といったケースもあります。蓄電池は容量やタイプによってサイズが異なります。蓄電池を導入する際は、あらかじめ自分の導入する機器のサイズや形を確認・把握しておくことが大切です。
また、設置場所として自分がイメージしている場所に問題がないか、業者に確認しておきましょう。屋外設置であれば、直射日光や風が当たらず通気性がよい場所、積雪や結露の少ない場所が適しているといわれています。
また、蓄電池はそれほど大きな音を出す機器ではありませんが、寝室や仕事部屋のそばは避けたほうが無難です。検討段階は、業者側も設置スペースについての詳細な説明は行わないことが多いので、いざ設置するという時に問題が発覚することがよくあります。蓄電池の機種などが具体的に固まってきたタイミングで、業者に設置スペースについての確認もするといいでしょう。
相場よりもはるかに高く購入してしまった
相場よりも高く蓄電池を購入してしまった人は、共通して「比較・検討」を行っていません。複数の業者から見積りをとれば、相場よりも著しく高額な価格帯を設定している業者は見分けることができます。悪徳業者は、見積り金額を比較されると高額であることがバレてしまうので、比較前に契約をさせようとします。
「今日契約してくれればこれだけの値引きができます」「この価格で購入できるのは今日だけです」など、言葉巧みにその日に契約させようとするので気を付けてください。突然訪問して契約を急がせる業者は、すべて詐欺と判断して問題ありません。
家庭用蓄電池は国からの補助金が出ることもあり、詐欺などの勧誘トラブル報告が増えています。「工事費無料」を謳うケースが多いですが、もともとの金額が高いので工事費が無料でもトータルでお得にはなりません。こういった業者はその場で断るか、「検討したうえで後日連絡したい」と伝えると資料も残さずに引き上げていくことがほとんどです。資料の中に虚偽の内容が含まれているため、証拠を残さないため資料はすべて持ち帰るようです。
なかには「契約するまで帰らない」といった悪質なケースもありますが、もし仕方なく契約してしまった場合8日間以内であればクーリングオフを使って契約解除できます。蓄電池の導入時は、必ず比較検討したうえで業者を決めてください。
トラブルを回避するためには
トラブルの原因は、基本的に購入者の知識不足と業者の説明不足の2点が原因です。購入者の知識不足には「どうせ調べても自分にはよくわからないだろう」と、全体像のわからないものをわからないままに購入してしまう点に問題があります。蓄電池は本体と工事費合わせて100万円以上の費用がかかるため、決して安い買い物ではありません。
高額の設備を充分な理解のないまま契約することは、当然トラブルの原因になります。わからないことは遠慮せず、自分が理解するまで説明してもらいましょう。自分が理解するような説明を業者がしてくれない場合、その業者には依頼するべきではありません。
なぜなら、素人にもわかるよう商品の説明をできないということは、その業者あるいは担当者は蓄電池設置についての経験や知識がないと考えることができるからです。太陽光や蓄電池の設置実績の多い業者であれば、過去のトラブル事例をもとに設置場所などリスクになりそうな事項について、あらかじめ説明をしてくれるはずです。
実績の多い業者は、その後のアフターフォロー体制も手厚いことが多いため、安心して蓄電池を使うことができます。価格だけでなく、保証制度やアフターフォロー体制が整っているかどうかも業者の見極めポイントになるので、蓄電池を導入する際は必ずチェックするようにしましょう。
せっかく蓄電池を導入したのに、家の美観を損ねてしまったり相場以上の価格で購入して家計の負担になったりするという事態は避けたいものです。基本的にほとんどのトラブルは、自分が事前に知識をつけておけば避けることができます。無知はトラブルの元になると認識して、しっかりと知識をつけ、業者の比較を行うことで蓄電池導入を成功させましょう。