マンションでも蓄電池を設置できる?導入したときのメリットとは
一般的に蓄電池は注文住宅など一戸建ての住宅に設置するものと知られていますが、マンション住まいの方でも導入できるのでしょうか。本記事ではマンションでの蓄電池の設置方法や、導入する際のメリット・デメリットについてご紹介していきます。マンション住まいで蓄電池の導入を考えている方は、ぜひ最後までご一読ください。
マンションでの蓄電池設置は難しい
結論からいってしまうと、基本的に賃貸や集合住宅などに住んでいる方が、自宅に蓄電池を設置するというのは非常に難しいでしょう。その理由については、自分が保有している注文住宅などとは異なり、蓄電池を導入するまでに大きなハードルがあるからです。賃貸や集合住宅で蓄電池を導入するのが難しい理由について1つ1つ見ていきましょう。
■近隣住民とトラブルになる可能性がある
太陽光発電システムや蓄電池を自宅に導入する場合、必ず工事を行う必要があります。集合住宅では近隣にたくさんの住民の方が暮らしているため、工事の騒音などによって不快な思いをさせてしまい、トラブルに発展してしまう可能性も考えられるでしょう。また、両隣や上下の部屋から苦情を受けてしまうと、大家や管理会社から注意されてしまい、その後に住みにくくなってしまうこともあります。
■退去時の原状回復が難しい
蓄電池を自宅に導入する際の設置工事では、住宅の壁に穴をあけなければいけません。蓄電池は重量があるため、しっかりと固定するために必要な工程です。賃貸住宅の場合、退去時に入居中に汚したり傷付けたりしてしまった箇所を修復し、入居前の状態に戻す「原状回復」を行う必要があります。故意に破損させた箇所以外の傷や汚れなどに関しては、原状回復の責任が免除、あるいは軽減される可能性がありますが、蓄電池の工事で開けた穴については、修復してから退去しなければなりません。
原状回復できない場合には、高額な費用が請求されることが予想されるため、工事を行うにはかなりのリスクがともなうことでしょう。蓄電池の導入によって電気代が節約できたとしても、その後の費用を考慮すると費用対効果が釣り合わず、結果的にデメリットの方が大きくなってしまいます。
マンションでも設置できた場合の使い道
基本的にマンション住まいの方が蓄電池を自宅に設置するのは難しいとされていますが、まれに大家や管理人などのオーナーが導入を決意するケースもあります。そこで、実際にマンションに蓄電池や太陽光発電システムを導入した際の使い道についてご紹介していきます。
■電力会社への売電
蓄電池、太陽光発電システムを導入することで、電力会社への売電が可能となります。賃貸住宅や集合住宅の場合、設置するのは難しいですが、屋上などに空きスペースがある際には、そちらを利用して蓄電池や太陽光発電システムを設置できるかもしれません。充分な発電量が見込めるのであれば、電力会社への売電で収入を得ることも可能です。
■共用スペースの電気に充てる
マンションでは防犯対策として夜通しで共用部分の照明がついていることが多いため、かなりの電気代がかかることが予想されます。しかし、蓄電池や太陽光発電システムを導入することによって、発電した電気を共用部分に充てることが可能となります。昼間は太陽光で発電を行い、その電気を蓄電池に溜めて夜間に使うことで効率的に電力を使用することが可能です。
■発電した電気を入居者の生活に充てる
蓄電池に溜めた電気をマンションの入居者に利用してもらう方法もあります。これにより、「電気代が節約できて余ったら売電できる」物件となるため、オーナーにとっても入居者にとっても大きなメリットとなるでしょう。
マンションに蓄電池を導入するメリットとデメリット
最後に、マンションオーナーが蓄電池、太陽光発電システムを導入するメリット・デメリットについて解説していきます。
■マンションに蓄電池を導入するメリット
蓄電池や太陽光発電を導入することで、マンションに魅力的な付加価値をつけることが可能となります。省エネ・創エネをアピールできるだけでなく、各入居者の電気代の負担も軽減できる可能性があるため、入居を希望する人を増やすことができるでしょう。さらにマンションに蓄電池、太陽光発電を導入することによって、災害時などにも電力の供給を行うことが可能です。
■マンションに蓄電池を導入するデメリット
既に多くの住人が暮らしているマンションに蓄電池、太陽光発電を導入するのが難しいというデメリットがあります。工事を行う際には入居者の同意が必要であり、一時的とはいえ住人は工事の騒音などに耐えなければいけません。同意を得ずに強行した場合にはトラブルに発展する可能性も高いため、導入を検討する際には、事前に入居者にメリットを提示しておくとよいでしょう。
マンション住まいの方が独自に蓄電池を導入することは難しいですが、マンションのオーナーであれば蓄電池、太陽光発電を導入できる可能性があります。初期費用はかかるものの、売電や電気代の節約など入居者とオーナー双方にさまざまなメリットがあるため、蓄電池の導入する際には、入居者の同意を得た上で設置を検討してみてください。